【棋書感想】四間飛車 序盤の指し方完全ガイド
四間飛車 序盤の指し方完全ガイド
井出先生の「四間飛車 序盤の指し方完全ガイド」を読みましたので感想を残します。
ノーマル四間飛車の対急戦、対穴熊、それ以外に対する指し方を解説している棋書です。
読んでみての感想
概要
全体で218ページ中
と対居飛車穴熊がとても充実しています。
その上、対居飛車穴熊は藤井システムなどでなく、おとなしく居飛車穴熊に組ませてつぶす形で、井出先生のこだわりを感じる領域です。
対居飛車穴熊
よくある四間飛車▲6六銀型の仕掛けの局面における解説がとても充実していました。
本書によると、ここでの▲5五歩がいけるのは、後手が以下のような陣形のときとのこと。
- △5一角とした瞬間
- △7三歩のとき
- △4二銀と引いた時
私は何も考えずここで仕掛けることが多かったので、
どうりでなんだかんだ薄さが祟って負けることが多かったわけですね。
そうでなければ、銀冠を目指すのが良いそうです。
本書から引用すると「端の位を取った銀冠こそが最高形」だそうで。居飛車穴熊に堂々と組ませて、銀冠で立ち向かうのはなんともかっこいいですね。
対急戦
斜め棒銀からの△7五歩~△7三銀と引く、準急戦、地味に嫌なのですよね。失敗するとすぐ押さえ込まれてしまいますし。個人的には、準急戦>斜め棒銀>棒銀>4五歩早仕掛け みたいな順で嫌です。
本書では準急戦に対する面白い指し方が紹介されていました。
図2から、▲5三金△7四銀▲4六金△6四歩▲5五歩△同歩▲5八飛(図3)
▲4六金と上がっておけば、後手の狙いの角交換が▲5五歩で止まる、ということでしょうか。
試しに友人との実戦で▲4六金をノータイムで指したら驚かれたので、初見では珍しい手なのかもしれません。その将棋は中盤まではお互いに振り飛車持ちだったので、▲4六金はまた機会があれば指してみたい形です。
まとめ
対居飛車穴熊は、おとなしい四間飛車でも倒せるというこだわりが感じられて、読んでて嬉しくなるような棋書でした。特に▲6六銀型は望めば大体その形になるので、その仕掛けの成否や考え方が参考になった一冊でした。